20210606

引っ越しました

大いに悩んだ結果、5月下旬に東京に引っ越した。「ずっと一人暮らししたいですよね〜」と会う度に言ってきたが、自分としても遂にといった感じだ。実際一人暮らしする理由はやはり出張エリアの遠さにあった。片道3時間と少し。この時間は流石に勿体ないと思った。洗濯・食事・掃除と何もかも自分で行わなければならないが、それすらも容易に許容するレベルだと思う。とはいえ東京と言っても、ここは郊外。新宿までは50分弱かかる。引っ越してから新宿に降りたのは先週の写真の仕事くらいだ。これまで「東京」と言えば新宿に行くことが多く、生活から新宿が離れたのは少々寂しさを感じる。新宿に頼っていた店やそれ相応の場所を引っ越し先の街でも見つけていかなければならない。

私が引っ越したのは立川市で、駅周辺で生活は完結する。伊勢丹高島屋もあるし、ルミネもある。ざっくり自分が調べた限りでは、よく行くブランドのショップもある。特別困る事は無さそうだ。それに自分にはこの「東京郊外の感じ」がぴったりな気がしている。

駅を離れてみてもモノレール沿いにあるIKEAを目的に歩いていくと拓けた商業施設がある。皆ベンチに座っては人と会話し、人と食事をしている。引っ越して早々に「この街に引っ越してきたは良いけれど、知り合い居ないな、そういえば。」と寂しくなった。友人と会うなら勿論立川以外で会うのだろうが、良い街だと思う。いつかこの街に自分も溶け込みたい。

東京を思い浮かべると(あまり「東京」という肥大化した固有名詞で語りたくはないが)、どこもかしこも人で溢れかえり、誰もが忙しなく、自身と有限な時間を擦り合わせては次へ次へと進んでいく、どこか寂しい街の様な印象がある。勿論それだけが私的「東京」ではないが、そこで日々を過ごすのは田舎出身の私には窮屈な気がしていた。

遠くもなく近くもない、都心30-50分という距離は、立川市に身を置く大きな動機の一つとなった。住んでみて様々な問題も判ってきたが、基本的に家賃も安くてかつ一人で住むには十分過ぎると言っても良いくらいのスペースが確保されている。少し余裕があるくらいが丁度良い。

一人暮らしは勿論、引っ越しは初めてだ。周りの友人が皆一人暮らしを早々に始めていた事もあり、24歳男性会社員、一人暮らしを始めるのは遅すぎたのだろうかと気にしていた。同時に健全な家庭環境の下に成り立つのかな、とも思う。(この辺りの話は各人それぞれであり、特別深く掘り進める事でもないとも思うが)先に一人暮らしを始めた友人・知人を見ては良いなと思う反面、「どうして一人暮らししないの?」という言葉を言われる度に下唇を噛んでは反論を堪えていた。色々あるんだよ。

電化製品も家具も選ぶわけだが、はっきり言ってどのサイズが自分に適切かよくわからないまま買った。住んでみないとどれが良くて駄目で、なんてわからない。とりあえず電化製品は予算を越えない範囲で揃えた。家具は最初だし、と金銭感覚を無くして買い揃えた。

といっても大体の家具はIKEAで揃えた。同じ様なものを他メーカーで揃えたら幾らになるのかは見当付かないが、組み立ては自分だけで行ったし、工賃費を考えれば安価に抑えられたのではないかと思う。あとはサイドテーブルが欲しいな、なんて思っているがゆっくり考えていけば良い。もう衣食住の環境は完成している。

完成したとはいえど、インテリアは気にし始めるとキリがない。これまでホームセンターも家具屋も一切自分に関係のないと思っていたが、いざ一人暮らしを始めてみると輝いてみえる。この机を置いたら、この棚を部屋のここに置いたら、なんて考えては一日が過ぎていく。

住みはじめて2週間で在宅勤務環境を含む諸々の環境整備ができたので、あとは街に出るための自転車を買ったり細々とした雑貨、自炊も折角なので本格的にしていきたい。少しずつ気がつけばで良いと思う。流石に初期費用で自身の貯金をかなり使った。消費した分労働をせねば、と自分自身を鼓舞できるのは都合の良い性格だなと思う。普段写真の仕事で関係している人に「東京(一応)に越したんですよね」と言ったらこれまでより振ってくれる仕事が増えた。なんだかんだ、東京に居たほうが声掛けしやすいですよね。わかります。

この出張生活もいつまで続くのかわからないし、本職の上司も「早々にお前を神奈川に戻してやるから」と言ってくれている。有り難いし嬉しいのだが、かなり良い環境で住居をかまえてしまったので数年はせめてこの街に・・とも思う。折角だし去る日が寂しくなるくらいには、堪能したい。