社会から自主リタイアしたい

途端に冷え込んできた気がする。感覚的には秋を通り越して冬の様な気持ちで、いつも秋服を買ったは良いもののタイミングを逃している。ここ最近の服への嗜好は、自分でも不思議に思うくらい黒い服への異様な執着とも呼べる思いがなくて、色味のある服を選んでは買い込んでいる。あれ程学生時代に黒い服が好きで、comme des garconsを買ったり、受注生産のフレアパンツを履いたり、関連する本やファッション誌を読んでいたのに、と思う。

恐らく年齢的な変化、自分自身を取り巻く環境の変化が思いの外社会人になってからの私に作用している。自分自身だけでない、他人が存在するという事実。なんとなく外れちゃいけない様な気がして、最低限そういったノーマルな自分を演出するために身なりを揃えようという自分がいる。

実際、就職をする前は「日常を剥奪されるものか」と強気に思っていたのだが、半ば強制的に拘束されるとなるとそういった意志も少しずつ削られていく。二年目で漸く仕事が慣れてくる。そんな時期でもあるが、同時に日常の剥奪とそれが普遍化していく事の恐ろしさの狭間に立たされているのだと思う。早い所、強気な姿勢を棄てて犬になるか、早期撤退をするか。

ただ、良くも悪くも拘束された分は賃金になって還ってくるので(本当はもっと成果物に対して還元されたいが...)休日に経済を回す事に必死になれている。やっぱり自分で稼いだお金を自分の為に使うのは心地良い。根本的な解決にはなっていないけど、現実逃避でありストレス解消の一つでもある、物欲の消化。

とにかく、早い所自給自足していきたい。成し遂げたい目標があった「はず」にはなりたくない。日常を完全に剥奪される前に、自主リタイアしなければ。